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ウルトラマン



ウルトラマンは、円谷プロダクション(つぶらやプロダクション)が製作し、昭和41年から昭和42年の間にTBS系で放送された特撮テレビ番組『ウルトラマン』、およびその劇中に登場する巨大変身ヒーローの名。 また、『ウルトラマン』に続いて放送された一連の番組(『ウルトラQ』を除くウルトラシリーズ、ウルトラマンシリーズ)、およびその劇中の巨大変身ヒーローもよく「ウルトラマン」と総称される。 映画や漫画にもなっており、ウルトラマンを扱う関連商品は、性別、世代を超え、いまだに根強い人気を誇っている。

注意:以降の文章には作品の内容に関する記述が含まれます。

目次

1 作品としてのウルトラマン

1.1 設定
1.2 試行錯誤を繰り返した番組制作
1.3 企画段階
1.4 NG作品
1.5 シリーズとしての「ウルトラマン」

2 キャラクターとしてのウルトラマン

2.1 設定
2.2 変身方法
2.3 ウルトラマンの能力
2.4 変身時間
2.5 名称の由来
2.6 ウルトラマンのデザイン・造形
2.7 種族としての「ウルトラマン」

3 科学特捜隊

3.1 科学特捜隊の装備

3.1.1 航空用装備
3.1.2 陸上装備
3.1.3 水中用装備
3.1.4 地底用装備
3.1.5 宇宙用装備
3.1.6 銃器類
3.1.7 その他特殊装備

3.2 防衛隊(軍)

4 放映データ

4.1 サブタイトル・登場怪獣

5 登場人物・出演者

5.1 レギュラー、準レギュラー
5.2 ゲスト出演者

6 関連事項
7 外部リンク

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作品としてのウルトラマン
『ウルトラQ』に続く「空想特撮シリーズ」第2作で、地球を守る巨大変身ヒーローのアクション番組。本放送当時の提供は武田薬品工業一社。
『ウルトラQ』の世界観を継承する番組として製作・放映された。『ウルトラQ』で登場した怪獣が視聴者に好評であったので、怪獣同士の戦いを主体とする番組が企画されたが、巨大な正義の超人が怪獣と闘う形式に変更され、それが『ウルトラマン』となった。
前作の『ウルトラQ』は、放送前に全話の撮影が終了していたが、『ウルトラマン』は放送しながら作成することとなった。しかし、一話の撮影には10日かかるたため毎週作るのでは間に合わない。そのため、放送前に9本のストックを用意して、制作は2本同時に行なう2班体制で放送をはじめたが、円谷プロダクション初のカラーテレビ番組にかける意気込みと妥協を許さぬ製作体制は徐々にスケジュールを圧迫し、3班撮影でも間に合わなくなってきた。番組の更なる続行を望むTBS側とこれ以上の続行は不可能とする円谷プロとの間で度々協議が開かれた結果、昭和42年1月の時点で、3クール39話の放送で一旦終了することが決定した。製作体制の見直しが行われ、『ウルトラセブン』放送までの半年間、東映製作の『キャプテンウルトラ』が放映される事になった。
最終回で、ウルトラマンがゾフィーとともに地球を去る場面を見た当時の子供達は、各々の家の窓を開けて空を見上げ、ウルトラマンを見送ろうとしたという話が伝わっているが、これは最終回の準備稿にあった、子供たちの声に送られながらウルトラマンが地球を去るという描写が都市伝説化したものだと思われる。
本放送当時、平均視聴率は30%を越え、最高視聴率は42.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区。昭和42年3月26日放送の第37話「小さな英雄」)を記録した超人気番組であった。放送終了後もその人気が衰えることはなく、最初に行われた再放送では、平均視聴率が18%台を記録した。

設定
国際科学警察機構日本支部に配属された科学特捜隊の5名の隊員は、東京郊外のモダンなビルに収められた万能戦闘機ジェットビートルや特殊潜航艇S号などの超兵器を駆使し、怪事件の調査や地球防衛のために活躍していた。ある夜、専用機小型ビートルでパトロール中だったハヤタ隊員は、正体不明の赤と青の球体が飛行するのを追跡中、赤い方の球体と衝突してしまった。赤い球の中で生死の境にいるハヤタに語りかけてきたのは、M78星雲の「光の国」の宇宙警備隊員である超人ウルトラマンだった。 護送中に逃げ出した宇宙怪獣ベムラーを追って地球へやってきた彼はハヤタの死に責任を感じ、ハヤタの肉体に融合することで自らの生命をハヤタと共有し一心同体になった。ウルトラマンはハヤタとして地球上で暮らし、科学特捜隊の4人の仲間と共に地球の平和のために働くことになる。そして、科特隊が全力を尽くしても乗り切れない絶体絶命の危機においては「ベーターカプセル」を使って約3分間だけ元の巨大宇宙人の姿に戻り、その能力を生かして怪獣や侵略宇宙人らと戦いを繰り広げていくことになる。
この物語は、怪獣や宇宙人から地球を守る科学特捜隊の活躍と、クライマックスで登場し怪獣と戦うウルトラマンの勇姿を中心に展開していく。

試行錯誤を繰り返した番組制作
世界にも例を見ないカラー放送による、巨大な宇宙人を主人公とした特撮ドラマであったため、番組制作は試行錯誤を繰り返した。
当時は空想上のドラマにおける世界観構築のため、細部まで設定を統一するという概念が薄く、細かい約束事等を現場の判断で決めるケースが多かった。そのため、エピソードごとに監督が変わると細かな設定も変わってしまうという事態が発生した。
一例を挙げると、科学特捜隊のヘルメットについているバイザーは、隊員達がスーパーガンを撃つときに目の保護のためにヘルメットのバイザーを下ろして撃つことになっていて、設定を作った飯島敏宏監督の「ミロガンダの秘密」ではそのような描写が行なわれているが、他の監督が担当したエピソードでは設定の申し送りが行なわれず、設定は立ち消えとなった。

企画段階
『ウルトラマン』の企画は『ウルトラQ』以前に企画されていた『Woo』における「人間に味方する友好的宇宙人の活躍」という基本線を練り直すことから始まった。また、「市井の主人公が毎回怪獣に遭遇する不自然さ」という『ウルトラQ』の反省点から、怪獣事件の専門チームを主役にすることが考案された。こうして企画されたのが『科学特捜隊ベムラー』である。「常識を越えた事件を専門に扱う科学特捜隊」「飛行機事故で消息を絶った主人公がヒーローになって生還する」という基本線はこの時点で完成していた。しかし、その主人公である正義の怪獣ベムラーの容姿は、日本の伝説上の生物・烏天狗を思わせるもので、関係者から「敵怪獣との区別がつきにくい」「ヒーローとしてのキャラクターが弱い」との声が上がった。そこで『ベムラー』企画は書き直され、新たに『科学特捜隊レッドマン』が企画されることとなった。ここでは、前企画で暗示されていただけだった主人公とヒーローの関係について「飛行機事故でサコミズを死なせた宇宙人レッドマンが責任を取ってサコミズの身体を借りる」と明記され、完成作品でウルトラマンが命をハヤタに与えたことにつながっている。この段階でウルトラマンの設定の基本的な部分は出来上がっていたと考えられるが、その一方で、レッドマンは既に故郷が他の惑星の侵略で滅亡していること、サコミズ本人はすでに死亡してその心はレッドマンであること、サコミズには芸能人の恋人がいることなど、ウルトラマンとの相違部分もある。レッドマンの名称は、『ウルトラマン』以後の作品でも、企画段階の番組名を他社に商標登録されてしまうのを防ぐためのコードネームとして、円谷プロにおいてしばしば用いられた。

NG作品
映画化も企画され飯島敏宏による脚本「ジャイアント作戦」が書かれたが、実現せずに終わった。ウルトラマンでは数多くの脚本が書かれたが、予算や技術等の問題から、映像化が断念されたものも多い。中には、検討台本に基づいて漫画として児童誌に掲載されるケースもあった。そうしたものの一部として、少年雑誌『ぼくら』において放送終了後の4ヶ月間連載が延長される中、一峰大二によって漫画化されたものがある。現在では、翔泳社の『ウルトラマン−完全版』(全二巻)で見ることができる。また講談社から発売されているオフィシャルファイルマガジン「ULTRAMAN」の専用バインダー初回生産分にのみ「ジャイアント作戦」復刻版脚本が収録されている。

シリーズとしての「ウルトラマン」
『ウルトラマン』に続いて一連の番組シリーズが製作・放映された。毎回、巨大ヒーローと怪事件処理専門チームが連携して、宇宙や異次元、地球のどこからかやって来る怪獣や宇宙人たちと闘う、というコンセプトの特撮番組で、子どもたちに人気を博す。これら同系列の作品はウルトラシリーズあるいは、単に「ウルトラマン」と呼ばれる。詳細はウルトラシリーズを参照。

キャラクターとしてのウルトラマン

設定

身長:40メートル
体重:3万5千トン
年齢:2万歳
職業:宇宙大学の先生、宇宙警備隊支部長。
家族構成

父:宇宙保安庁長官
母:ウルトラ学校の先生

変身方法
ハヤタがウルトラマンに変身する際には「ベーターカプセル」と呼ばれる器具を使う。ベーターカプセルは先端が透明な円筒形の装置で、これを頭上に掲げることでフラッシュビームと呼ばれる強烈な光が発生し、ウルトラマンに変身する。変身時のポーズは右手を宙空に突き上げた独特の形であり、ウルトラマンを特徴付けるポーズとして以降の作品でも踏襲された。
このベーターカプセルによる変身シークエンスは、前年まで放映されていた手塚治虫原作のアニメーション『ビッグX』の頭上に万年筆をかざすポーズに酷似しているが、ここに由来しているかは不明。

ウルトラマンの能力

スペシウム光線
ウルトラマンの代名詞とも言える代表的必殺技。左右の腕を十字形に交差させて、右手の先から発射する。敵を細胞ごと吹っ飛ばすほどの威力を持つ。スペシウムは火星にはあるが地球には存在しないという(架空の)物質で、バルタン星人が苦手とする。連射も可能。なお、映画『甦れ!ウルトラマン』において、スペシウム光線の威力を強化させた7色の光線、マリン・スペシウム光線を使用している。
八つ裂き光輪
スペシウムエネルギーをノコギリ状の円盤にして飛ばし、敵を切り裂く必殺技。左手を胸の前に水平に構え、上に掲げた右手を振り下ろす動作で放射される。第16話「科特隊宇宙へ」のバルタン星人(二代目)との対戦で初披露。相手に防がれることが多く、本編中9回使用されたが、決まり手となったのバルタン星人(二代目)とレッドキング(二代目)のみであった。別名「ウルトラスラッシュ」。レッドキング(二代目)との対戦では、放った八つ裂き光輪を、途中で二つに拡散させている。
ウルトラエアキャッチ
手を触れずに敵を空中に浮かばせることができる。そのまま地面へ叩き付ける事もできる。第25話「怪彗星ツイフォン」でレッドキング(二代目)に使用したほか、第38話「宇宙船救助命令」では、スペシウム光線も八つ裂き光輪も効かないキーラに対して発展版のウルトラサイコキネシスで空中で吹き飛ばした。
ウルトラ水流
両手の間から高圧の水を放出する技。油獣ペスターによって起こった石油コンビナートの大火災を鎮火し、水を弱点とする棲星怪獣ジャミラを倒した
ウルトラアタック光線
両腕間に発生させた熱エネルギーを右腕に誘導し、リング状の光線にして放つ。滅多に使うことは無く、劇中では第31話「来たのは誰だ」でスペシウム光線の効かないケロニアに対して用いられたのみである。なお、この技は資料によって説明が異なり、「スペシウム光線よりも強力な光線」「熱光線なので火に弱いケロニアに有効だった」「実は敵を麻痺させる光線で、この技で敵を止めてから念力で粉砕した」の3つの説があるが、どれが正しいのかは不明。
テレポーテーション
異なる場所に瞬時に移動する能力。ウルトラマンの寿命を著しく縮めるほどのエネルギーを使う。
透視光線
両目から放つ光線。姿を消した敵を発見する。攻撃能力は無い。
ウルトラ眼光
両目から放つ光線。バルタン星人(二代目)の光波バリヤーを無効化した。
スラッシュ光線
掌を合わせて発射する光線。連射可能。メフィラス星人のベアハンド光線に相殺された。
キャッチリング
高速スピンを行いながら光の鎖を発射、敵を締め付ける。ゼットンに使用したが、高速スピンを妨害されて威力が低下し、引きちぎられた。
リバウンド光線
光の壁を作り出し、攻撃を跳ね返す。ジェロニモンの無重力光線を反射した。
空中体当たり
高速飛行しながら空中の敵に体当たりする。ガマクジラとスカイドンを倒した。
ウルトラセパレーション
映画『甦れ!ウルトラマン』で、各地に同時出現した怪獣達を倒すために使用した新技。5人に分身し、それぞれが各地に飛んで怪獣と戦う。
ウルトラ念力
強力な念力。ウルトラアタック光線で倒したケロニアの死体を粉砕した。また、ジェロニモンが放った大量の羽根手裏剣を一度に停止させ、スペシウム光線で全て破壊している。
ハイスピン
高速スピンを行い、ブルトンが作り出す四次元空間から脱出した。
巨大化能力
ダダの縮小光線銃で等身大の大きさにされたウルトラマンが使った能力。再度巨大化した。
ウルトラチョップ
手刀で相手を殴打する。プロレスラーが行うチョップと本質的には同じ。敵目掛けて走り、すれ違いざまにチョップを決める「ウルトラ霞斬り」という応用技もあり、ジラースを倒した。
ウルトラパンチ
インド象50頭分の威力がある。
ウルトラキック
320文の威力がある。ウルトラマンの関節は「三重関節」という特殊な構造になっており、キック等の力技の威力が数百倍になる。
ウルトラスウィング
敵の足や尻尾を掴んで振り回し、放り投げる。他にも、背負い投げや岩石落とし、巴投げも得意。
ウルトラの星作戦
『帰ってきたウルトラマン』にゲスト出演した際に、ウルトラセブンと共に使用した技。2人で体を交差させてエネルギー域を作り出す。ナックル星人に捕らえられた新マン(ウルトラマンジャック)を蘇生させた。
エネルギーを与えた光線(名称不明)
『ウルトラマンティガ』第49話で、円谷英二監督の想いが実体化して現れたウルトラマンが使用した光線。ヤナカーギーに苦戦するティガにエネルギーを与えた。
運動能力
ジャンプの高さは800m、走る速さは時速450km、泳ぐ速さは200ノットである。また、10万トンタンカーを持ち上げる怪力を誇るが、体重20万トンのスカイドンは持ち上げられなかった。
飛行能力 
大気圏内だけでなく宇宙空間を自由に飛行する能力を持っている。推進方法は反重力。飛行速度はマッハ5(初期の設定ではマッハ3)。

本編とは直接的には無関係であるが、オリジナルビデオ『ウルトラマンVS仮面ライダー』では仮面ライダー1号を、テレビ番組『有言実行三姉妹シュシュトリアン』第40話「ウルトラマンに逢いたい」ではシュシュトリアンを巨大化させた。

変身時間
ウルトラマンの地球上での活動時間は3分間であり、その限界は胸の中央部にあるカラータイマーによって示される。変身してから2分10秒経つと、カラータイマーの光が青から赤に変わり、音とともに点滅する。3分経つとウルトラマンはエネルギーを使い果たして死亡する。番組中のナレーションでは、「二度と再び立ち上がることが出来なくなってしまう」と表現されている。 ウルトラマンの当初のデザインではカラータイマーが存在しておらず、カラータイマーと変身時間の制限は、撮影費用のかかる特撮部分の経費削減のため、およびウルトラマンが完全無欠のヒーローでありすぎると話に面白みが欠けるので、子供にも判りやすい弱点を作ろうということで導入されたといわれている。
カラータイマーはデザイン上の要請とは無関係に考案されたものであり、デザイン担当の成田亨からは不本意とのコメントもされている。しかし、劇中であまりにも印象的であったので、ウルトラマンに不可欠なデザイン上の特徴として以後のウルトラシリーズに継承されるのみならず、他の類似作品にまで大きな影響を与えた(アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』などを参照のこと)。なお、カラータイマーの点滅については、当時主流であった白黒テレビを考慮しての面が大きい。

名称の由来
「ウルトラマン」の名称は劇中で登場人物の一人(ハヤタ)によって名づけられている。光の国での彼の本名は劇中では明らかにされず、敵役の宇宙人たちも主人公をこの呼称で呼んでいる。最終回では、同族のゾフィーまでがこの呼称で彼を呼んでいる。企画書段階で主人公は「ウルトラマン」ではなく当初は「ベムラー」、後に「レッドマン」と呼ばれていたが、最終的には前作『ウルトラQ』を引き継ぎ「ウルトラマン」と命名された(ベムラーは後に第一話の怪獣の名称として流用される)。また、当初から海外に輸出することを前提に製作されたため、登場人物の名前はカタカナで表記されている。

ウルトラマンのデザイン・造形
ウルトラマンのデザインは、前作『ウルトラQ』でも怪獣や宇宙人のデザイン、セットの美術デザインを依頼された彫刻家の成田亨が担当した。『ウルトラマン』は企画段階では主人公が正義の怪獣(宇宙人)という設定であったため、当初は渡辺明により、クチバシと翼を持つ烏天狗のような怪獣タイプのデザイン(名称べムラー)がなされた(このベムラーのデザインは同じ渡辺明が担当した日活怪獣映画『大巨獣ガッパ』に似ているが意識的な流用かどうかは不明)。その後、成田の参加により、宇宙時代のヒーローとして身体にぴったりフィットした宇宙服とヘルメットをベースとしたデザイン(名称レッドマン)に徐々に変化していった。体の赤いラインは火星の縞模様を図案化したものである。
成田は本業が彫刻家であったため、ウルトラマンのデザインは最終的に粘土を使った塑像を作成し、それを直接修正しながら行われた。そのため、デザインの決定画が存在しない。類例のないユニークなウルトラマンのデザインは成田の功績と言える。成田はウルトラマンがコスモス(秩序)、怪獣がカオス(混沌)を代表するというデザインコンセプトの元にレッドキングやアントラー、ブルトンといったほとんどの怪獣のデザインを手がけている。成田は怪獣のデザインに際しては、家庭に受け入れられるように嫌悪感を催す奇形や内蔵の露出したもの、既存の生物を巨大化しただけのものを避けるという方針を打ち出した。
余談であるが、テレビ草創期は番組製作に関与した個々のクリエイターの著作権の処理が曖昧で、契約書などで帰属が明示的に処理されていなかった。そのため、後年になってウルトラマンや怪獣のデザインに関する著作権を主張する成田亨と、作品そのものの著作権を持つ円谷プロに、デザインに関する著作権の帰属を巡っての対立が表面化した。そのため、朝日ソノラマから一度出版された画集が成田本人の意向により絶版のままになるなどの事態が生じている。
曲折を経て完成されたウルトラマンであるが、その造形は目立つところで二度モデルチェンジが行われている。一般にはAタイプ、Bタイプ、Cタイプと呼ばれて区別されている。Aタイプのマスクはラテックス製で、演技者の口に合わせて口が開閉するようになっていた。NGとなった脚本では、ウルトラマンが口から火を吐いたり、シルバーヨードと呼ばれる液体を放つ描写が見られた。しかし、実際には口はうまく開閉せず、マスクの頬にしわが寄るなど造形上の問題も発生した。また、必殺技もスペシウム光線が定着したので口をあける必要がなくなり、硬質樹脂(FRP)製のBタイプへと変更された。なお、AタイプとBタイプは材質が異なるだけで同一の型を利用して鋳造されているが、30話より登場したCタイプは新たな型が起こされてる。マスクとともにスーツのデザインも変更されており、特にBタイプ以降はそれまでに比べて胸部がボリュームアップされ筋肉質の体型となっている。実際には撮影に伴う劣化などのために何回かマイナーチェンジが行われ、3タイプだけでは区切れない細部の変更が認められるが、多岐にわたるため本稿では割愛する。
なお、ウルトラマンは『帰ってきたウルトラマン』以降、ウルトラシリーズや他作品へ何度も出演しており、イベント・CM等にも登場している。その中でスーツは何度も新調あるいは改修されており、その外見のバリエーションは多岐にわたっている。しかし、'80年代以降は造形担当者にオリジナルのウルトラマンを視聴して育った世代が参入してきたため、オリジナルに近い造形がなされる傾向にある。

種族としての「ウルトラマン」
シリーズ化によって、各作品ごとに異なるデザインの巨大ヒーローが登場したが、これらはすべて「ウルトラマン」または「ウルトラ戦士」と総称される。デザインは異なるが、ウルトラセブンやユリアンなど一部を除いて胸にエネルギーの消耗度合いを示す「カラータイマー」と呼ばれる発光物をもつ点で共通する。変身アイテムもそれぞれ異なり、帰ってきたウルトラマンやウルトラマンスコットなどアイテムを使わない者もいる。体色は銀を基調とするものと、赤を基調とするものの2系統が主流であったが、1990年代以降には、どちらの系統にも入れにくい新たなデザインも登場している。1960年代後半の雑誌媒体では前者をシルバー族、後者をレッド族と呼称していた。詳細はウルトラマン一覧を参照。

科学特捜隊
正式名称は科学特別捜査隊(かがくとくべつそうさたい)。略称は科特隊(かとくたい)。パリに本部があり、日本支部は東京近郊にある。緊急連絡時の電話番号は999。
日本支部の隊員は総員5名で、ムラマツ隊長(隊員達からはキャップと呼ばれている)以下ハヤタ隊員(ウルトラマン)、アラシ隊員、イデ隊員、紅一点のフジ隊員。途中からホシノ少年も特別隊員となった。
通常は青いブレザーを着用。出動時のユニフォームはオレンジ色で、赤いネクタイをつける。襟につけた流星型のエンブレムが通信機になっている。使用する戦闘機などの機体色は銀色と赤色で、ウルトラマンの体と同じである。

科学特捜隊の装備
科学特捜隊は数々の特殊な装備を持ち、状況に応じた運用を行っている。装備の開発は主に科学センター所属のイワモト博士とイデ隊員が行っている。

航空用装備

ジェットビートル
全長:18.5メートル 重量:25トン 最高速度:マッハ2.2
科特隊の主力戦闘機。イワモト博士が開発。
小型ビートル(通称、三角ビートル)
全長:15.5メートル 重量:17トン 最高速度:マッハ1.5
ジェットビートルの支援機。主に偵察に使用される。ビートルと同じくイワモト博士が開発。
F-4戦闘機
※NY支部の装備

陸上装備

科特隊専用車
最高時速:190キロ
日本支部で使用されている車輌。特に武装はなく、主にパトロールや基地近隣への移動に使用される。自動車としては米国シボレー社製コルベアを使用

水中用装備

特殊潜航艇S号(S16、S21、S25)
小型潜水艇。艦橋部分が艇体に収納されて艇上面を平坦にしてジェットビートル下面に吊下して空輸される。水中ジェットで推進し、ミサイル等で武装している。音波探知機、水中カメラ等の装備もある。また、一人乗りではなく乗組員の他に乗客を乗せるスペースがある。

第1話「ウルトラ作戦第一号」でS16号登場。
第10話「謎の恐竜基地」でS21号登場。
第24話「海底科学基地」でS25号登場。

地底用装備

地底戦車ベルシダー
削岩用ドリルを装備した戦車。イデ隊員が開発。

宇宙用装備

宇宙ビートル
ジェットビートルにハイドロジェネレートサブロケットを装備したもの。
宇宙船しらとり
宇宙タンク

銃器類

スーパーガン
隊員全員が装備。(イワモト博士も装備していた)

標識弾

UNG麻酔弾
米国製・ワシントン大学のスミス博士が開発。
スパーク8
イデ隊員が開発。
無重力弾
イワモト博士が開発。(文献ではペンシル爆弾と表記されていることが多い)

スパイダーショット
大型熱線銃。イデ隊員が開発、アラシ隊員が装備。銃の後部上面にセレクターがあり、熱線、リング状光線、火炎の3種類を発射可能。

水素注入機

マルス133
イデ隊員が開発 スペシウム光線と同じ威力を持つ。
マッドバズーカ
イデ隊員が開発。
QXガン
イデ隊員が開発。
ニードルS80
イデ隊員が開発。スパイダーショットの10倍の威力を持つ。
ナパーム手榴弾

その他特殊装備

パンスペースインタープリター
全宇宙語翻訳機。
バリヤーマシーン
イデ隊員が開発。

防衛隊(軍)
時々、科特隊と共に怪獣を迎撃する組織。詳細は不明だが、劇中でこれとは別に海上自衛隊、航空自衛隊、陸上自衛隊が登場することを考慮すると、怪獣退治の専門部隊と考えられる。ただ、その活動地域は関東圏に限られているのか、第26話・27話「怪獣殿下 前後編」では伊丹市に駐屯している陸上自衛隊がゴモラを攻撃していた。装備品は61式戦車、M4中戦車、F-4戦闘機の他、火炎放射戦車、熱線砲車、メーザー殺獣光線車を保有している。ちなみに熱線砲車は『怪獣大戦争』に登場したAサイクル光線車の本体を改造したもので、その牽引車を改造した照明車(『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』に登場)も第15話でガヴァドンを包囲する戦車群の中に確認することが出来る。

放映データ

サブタイトル・登場怪獣

「ウルトラマン前夜祭 ウルトラマン誕生」(1966年7月10日 放送)

「ウルトラ作戦第一号」(1966年7月17日 放送)宇宙怪獣ベムラー登場
「侵略者を撃て」(1966年7月24日 放送)宇宙忍者バルタン星人登場
「科特隊出撃せよ」(1966年7月31日 放送)透明怪獣ネロンガ登場
「大爆発五秒前」(1966年8月7日 放送)海底原人ラゴン登場
「ミロガンダの秘密」(1966年8月14日 放送)怪奇植物グリーンモンス登場
「沿岸警備命令」(1966年8月21日 放送)海獣ゲスラ登場
「バラージの青い石」(1966年8月28日 放送)磁力怪獣アントラー登場
「怪獣無法地帯」(1966年9月4日 放送)どくろ怪獣レッドキング、有翼怪獣チャンドラー、地底怪獣マグラー、怪奇植物スフラン、友好珍獣ピグモン登場
「電光石火作戦」(1966年9月11日 放送)ウラン怪獣ガボラ登場
「謎の恐竜基地」(1966年9月18日 放送)えりまき恐竜ジラース登場
「宇宙から来た暴れん坊」(1966年9月25日 放送)脳波怪獣ギャンゴ登場
「ミイラの叫び」(1966年10月2日 放送)ミイラ怪獣ドドンゴ、ミイラ怪人ミイラ人間登場
「オイルSOS」(1966年10月9日 放送)油獣ペスター登場
「真珠貝防衛指令」(1966年10月16日 放送)汐吹き怪獣ガマクジラ登場
「恐怖の宇宙線」(1966年10月23日 放送)二次元怪獣ガヴァドン登場
「科特隊宇宙へ」(1966年10月30日 放送)宇宙忍者バルタン星人(二代目)登場
「無限へのパスポート」(1966年11月6日 放送)四次元怪獣ブルトン登場
「遊星から来た兄弟」(1966年11月13日 放送)凶悪宇宙人ザラブ星人、にせウルトラマン登場
「悪魔はふたたび」(1966年11月20日 放送)青色発泡怪獣アボラス、赤色火焔怪獣バニラ登場
「恐怖のルート87」(1966年11月27日 放送)高原竜ヒドラ登場
「噴煙突破せよ」(1966年12月4日 放送)毒ガス怪獣ケムラー登場
「地上破壊工作」(1966年12月11日 放送)地底怪獣テレスドン、地底人登場
「故郷は地球」(1966年12月18日 放送)棲星怪獣ジャミラ登場
「海底科学基地」(1966年12月25日 放送)深海怪獣グビラ登場
「怪彗星ツイフォン」(1967年1月1日 放送)どくろ怪獣レッドキング(二代目)、冷凍怪獣ギガス、彗星怪獣ドラコ登場
「怪獣殿下 前編」(1967年1月8日 放送)古代怪獣ゴモラ、怪奇植物スフラン登場
「怪獣殿下 後編」(1967年1月15日 放送)古代怪獣ゴモラ登場
「人間標本5・6」(1967年1月22日 放送)三面怪人 ダダ登場
「地底への挑戦」(1967年1月29日 放送)黄金怪獣ゴルドン登場
「まぼろしの雪山」(1967年2月5日 放送)伝説怪獣ウー登場
「来たのは誰だ」(1967年2月12日 放送)植物怪獣ケロニア登場
「果てしなき逆襲」(1967年2月19日 放送)灼熱怪獣ザンボラー登場
「禁じられた言葉」(1967年2月26日 放送)悪質宇宙人メフィラス星人、宇宙忍者バルタン星人(三代目)、凶悪宇宙人ザラブ星人(二代目)、誘拐怪人ケムール人(二代目)登場
「空の贈り物」(1967年3月5日 放送)メガトン怪獣スカイドン登場
「怪獣墓場」(1967年3月12日 放送)亡霊怪獣シーボーズ登場
「射つな! アラシ」(1967年3月19日 放送)変身怪獣ザラガス登場
「小さな英雄」(1967年3月26日 放送)怪獣酋長ジェロニモン、友好珍獣ピグモン(再生)、彗星怪獣ドラコ(再生)、地底怪獣テレスドン(再生)登場
「宇宙船救助命令」(1967年4月2日 放送)光熱怪獣キーラ、砂地獄怪獣サイゴ登場
「さらばウルトラマン」(1967年4月9日 放送)変身怪人ゼットン星人、宇宙恐竜ゼットン、ゾフィー登場

登場人物・出演者

レギュラー、準レギュラー

ハヤタ隊員(※ハヤタ・シン 早田進):黒部進
ムラマツ隊長(※ムラマツ・トシオ 村松利夫):小林昭二
イデ隊員(※イデ・ミツヒロ 井出光浩):二瓶正也
アラシ隊員(※アラシ・ダイスケ 嵐大助):石井伊吉(現 毒蝮三太夫)
フジ・アキコ隊員(※藤明子):桜井浩子
ホシノ・イサム少年(※星野勇):津沢彰秀:未成年だが、第17話で隊員になる。
岩本博士:平田昭彦(第5話、第12話、第16話、第18話、第39話)/森塚敏(第33話)
ウルトラマン(着ぐるみ):古谷敏
怪獣:中島春雄、荒垣輝雄、鈴木邦夫
ナレーター:石坂浩二(1-19話)、浦野光(20-39話)

※印は、1996年公開の再編集映画『甦れ!ウルトラマン』において、初めて設定されたフルネームと漢字表記。フジとホシノを除く科特隊メンバーは、放映当時は姓のみが設定されていた。

ゲスト出演者

防衛隊・科学特捜隊

防衛隊幕僚長(第2話):藤田進
ジム隊員(第7話):エドガー・ケイザー:科特隊パリ本部隊員。日本支部隊員たちとバラージへ同行。
アンヌ隊員(第22話):アネット・ソンファーズ:科特隊パリ本部隊員。
アラン隊員(第23話):ピエール・ピロッソ:科特隊パリ本部隊員。
ゴトウ隊員(第31話):桐野洋雄:科特隊ボリビア支部隊員。
パティ隊員(第32話):真理アンヌ:科特隊インド支部隊員。

科学者

森田博士(第18話):土屋嘉男:科学センター所属。
福山博士(第19話、第22話):福田善之
二宮博士(第31話):中山昭二:ケロニアを研究。
岩本博士(第33話):伊藤久哉:科学センター所属。

その他の重要な役

チャータム(第7話):弓恵子:古代の町バラージに住む超能力をもつ謎の女性。
鬼田(第11話):山本廉:隕石を怪獣ギャンゴに変えた悪人。
地底人の男(第22話):フランツ・グルーベル
メフィラス星人の声(第33話):加藤精三
ザラブ星人(第18話:声、スーツアクター):青野武

端役

ダイヤモンドキック(第6話):伊藤久哉:宝石強盗
釣り人・林(第10話):西条康彦
新聞記者(第11話):青島幸男
警備員(第12話):奥村公延
作業員(第13話):梅津栄
運転手(第14話):寺田農

関連事項

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特撮
成田亨
着ぐるみ
ウルトラマン一覧
チャイヨー・プロダクション

外部リンク

ウルトラマン(東京MXテレビ)


出展:Wikipedia
ライセンス:GFDL


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